
こんにちは♪ インストラクターの「おけいさん」こと土橋桂子です。
70歳を越えたおけいさんが皆さんにお届けするコラムです。
その名も『Grandma’s column:Beside you♪』(ばあばのコラム:あなたの味方)
どうしてタイトルが英語かというと、おけいさんは緑色のフクロウさんと一緒に英語の勉強をしているからです。まぁボケ防止ですけどね(^^♪
月に二回のペースでお届けしますので、お読み頂けると嬉しいです。
『どうして分かってくれないの?』 のその前に!
皆さんは日常の中で、「どうして分かってくれないの?」と心の中でつぶやいたことがありませんか? 職場での会話、パートナーとのやりとり、あるいは親子での会話、相手は確かに自分の言葉を聞いているはずなのに、ちっとも意図が伝わっていない……。そんな経験があると思います。
実は、私たちが使う言葉には「表」と「裏」があるのです。
「表」とは、相手の耳に届くそのままの言葉。
「裏」とは、そこに込められた本心や本当に伝えたい気持ちです。
この「裏」に気づけるかどうかで、コミュニケーションのすれ違いは大きく変わります。
具体的な例を見てみましょう
① 職場での会話
部下が先輩や上司に「この資料、ちょっと見てもらえますか?」と聞く。
表のメッセージは「確認してください」という業務連絡にみえますが、裏には「不安だからアドバイスしてほしい」と望む気持ちがあります。
② 夫婦の会話
妻が「台所の時計が止まってるんだけど」と言う。
表のメッセージは単なる事実報告ですが、裏には「電池を替えてくれると助かる」という要望が隠れています。

③ 親子の会話
夜遅く帰った子どもに、親が「今、何時だと思ってるんだ!」と声を荒げる。
表のメッセージは「時間が遅い」という指摘ですが、裏のメッセージは「心配したんだよ」という愛情です。
こうした裏を受け取ってもらえれば、会話はスムーズに進みます。ところが、相手が表だけを受け取り、裏を感じ取らないと、「どうして分かってくれないの?」という不満につながることが多くなります。
どうして「裏」を言えないのでしょう
日本の環境や文化の中で過ごしていると、ストレートに本音を言うのをためらいがちです。
「そんなこと言ったら重いと思われないかな」
「察してくれるはず」
「言わなくても分かるよね?」
こうした気持ちから、裏のメッセージを隠したまま会話してしまうことがよくあります。
もちろん、相手が察してくれることもありますが、いつもそうとは限りません。特に世代や性格が違う相手には、期待通りに受け取ってもらえないことが多いものです。また、いつもは受け取ってもらえる相手でも、その時の状況や気持ちで受け取れないことがあります。
「分かってくれない」と思ったら
そんなときは、まず自分の言葉を振り返ってみてください。
表のメッセージだけで終わっていなかったでしょうか?
もしそうなっていたら、裏のメッセージ──本当に伝えたい気持ちを、あらためて口にしてみることをおすすめします。
「ここが不安だから、アドバイスが欲しいです」
「電池を換えてくれると助かるな」
「心配したんだよ」
そう言葉にするだけで、相手が気づき、思いが通じることがぐんと増えます。
相手に期待する前にできること
「どうして分かってくれないの?」という気持ちは、とても自然なものです。けれど、その前にできることがあります。
それは「相手に期待するより、自分の言葉をもう一歩工夫する」こと。
相手を責めるのではなく、自分から歩み寄る。これが、味方のスタンスです。
コミュニケーションはよくキャッチボールに例えられます。ボールを投げるとき、相手が取りやすいように少し工夫するだけで、やり取りは驚くほどスムーズになります。
「どうして分かってくれないの?」と悩んだときこそ、自分の言葉を見直すチャンスです。
表と裏、両方を意識して伝えることができれば、関係はもっと温かく、もっと楽になると思います。