Grandmas column : Besideyou No.2


こんにちは♪ インストラクターの「おけいさん」こと土橋桂子です。

70歳を越えたおけいさんが皆さんにお届けするコラムです。

その名も『Grandma’s column:Beside you♪』(ばあばのコラム:あなたの味方)

どうしてタイトルが英語かというと、おけいさんは緑色のフクロウさんと一緒に英語の勉強をしているからです。まぁボケ防止ですけどね(^^♪

月に二回のペースでお届けしますので、お読み頂けると嬉しいです。

『サクサク派とギリギリ派』 あなたはどちら?

人とのコミュニケーションで意外と大きな影響を与えるのは、「やり方の違い」です。性格や価値観といった大きなテーマよりも、「物事をどう進めるか」という日常的なクセ。これがずれると、誤解や不満が生まれてしまいます。

まずは私の思い出から。私は子どもの頃、夏休みの宿題は最後までやらないタイプでした。遊びたい気持ちが先に立って、絵日記もドリルも後回し。夏休みの終わりに机に向かい、明日から学校が始まるというのに終わらず、泣きべそをかきながら父に助けてもらった記憶があります。周りの友だちの中には、夏休みに入ってすぐに宿題を終えてしまう子もいて、「どうしてそんなことができるのだろう」と不思議に思っていたものです。

このやり方のクセは大人になっても変わりません。ただし、大人になった私は「締め切りギリギリで火がつくタイプ」だと自覚するようになりました。そのため、仕事で何かを頼まれるときには、必ず相手に締め切りを決めてもらうようにしています。「いつでもいいですよ」と言われると、つい後回しにしてしまい、気づけば忘れていた、なんてことになりかねないからです。逆に「今週の金曜日までにお願いします」と具体的に示されるとスムーズにやり始めます。これは自分のクセを理解した上での工夫です。

さて、あなたの周囲を見回してみてください。大きく二つのタイプに分けることができませんか?

一つ目は「できるだけ早く片づけておきたいサクサク派」

二つ目は「期限直前になってやっと動きだすギリギリ派」

仮に、職場での例として資料作成を頼まれた場合で考えてみます。サクサク派が資料作成を頼まれると、翌日には下書きを提出してきます。「締め切りは来週なのに、どうしてそんなに急ぐの?」とギリギリ派は内心不思議に思っています。しかしサクサク派にしてみれば、早めに終わらせて余裕を確保することが安心につながるのです。

一方でギリギリ派は、最初のアイデアを練るのに時間をかけ、締め切り直前に一気にまとめるスタイル。本人にとってはやっていることになります。しかし、サクサク派からすれば「なぜ早く見せてくれないのか」と不安になり、「進み具合だけでも共有してほしい」と言いたくなります。

このように、世の中には「初めに動くタイプ」と「終わりに追い込まれて動くタイプ」が存在します。どちらが正しいわけでもありません。ただ、その違いを知らないと、仕事の場などで摩擦が生まれやすくなります。上司が「早めに進めてほしい」と思っているのに、部下は「期限に間に合えばいい」と考えている。あるいは、早く仕上げた人が「もう提出したのに、返事がない」と焦ってしまう。どちらも悪気はないのに、互いにストレスを抱えてしまうのです。

やり方はみな同じではない

だからこそ大切なのは、「自分のやり方はみな同じではない」と知ること。自分が追い込み型なら、早めに進める人を見て「せっかちだな」と思うかもしれません。逆に、早めに終える人から見れば「なぜ動かないのか」と疑問に思うでしょう。けれども、その人にとってはそれが最も力を発揮できるスタイルなのです。

仕事を任せるときは、相手のやり方を尊重すること。もちろん期限や必要な中間報告は伝えるべきですが、「自分ならこうするのに」と押しつけるのではなく、「この人はこのペースでやるんだ」と受け止める。受けとめた以上は信頼して任せる。すると、余計な不信感や苛立ちが減り、チームとしての信頼関係も強くなります。もちろん夫婦や親子でも同じです。

私はいまも「最後に追い込むタイプ」です。年を重ねるごとにギリギリ度が上がっているような気さえします(笑)。だからこそ、そのことを隠さずに伝えるようにしています。すると相手も、「では途中で一度共有してくださいね」と具体的にお願いしてくれます。お互いのやり方を知り、それに合わせて工夫する。そうすれば仕事も人間関係もずっとスムーズになっていきます。

さいごに。

味方塾でお伝えするコミュニケーションは「相手に何を求めるか」よりも、まずは「自分がどう動けるか」を考えることから始まります。相手に期待する前に、自分の準備や伝え方を整える。そのスタンスこそが、相手にとっての「味方」になるのです。