Grandma’s column : Beside you No.3

こんにちは♪ インストラクターの「おけいさん」こと土橋桂子です。

70歳を越えたおけいさんが皆さんにお届けするコラムです。

その名も『Grandma’s column:Beside you♪』(ばあばのコラム:あなたの味方)

どうしてタイトルが英語かというと、おけいさんは緑色のフクロウさんと一緒に英語の勉強をしているからです。まぁボケ防止ですけどね(^^♪

月に二回のペースでお届けしますので、お読み頂けると嬉しいです。

「ダメ!」と言う前に考えたいこと

まずは子育て中の思い出から。

つい口から出る「ダメ!」のひとこと。

「○○ちゃん、ダメ!」

小さな子を育てているお母さんなら、一日に何度も口にしているかもしれません。

危ないことをしそうなとき、わがままを言ったとき、思わず出る「ダメ!」

もちろん、愛情があるからこその叱り言葉です。

「〇〇ちゃん、ダメ!」

この言葉を子どもの側から考えてみるとどうなるでしょう。

子どもの心には「自分がダメなんだ」と響いてしまうことがあるのです。

これは、子どもだけでなく大人の世界でも同じです。

職場で上司から「そんなんじゃぁ、ダメだろ!」と言われたとき。

頭では「やり方を指摘されている」とわかっていても、心の奥では「自分が否定された」と感じてしまう人も少なくありません。

日本語は主語があいまいでも通じる言語だからこそ、こうした誤解が生まれやすいのです。

「人格」と「行為」を分けて伝える

人を注意したり叱ったりするときは、「人格」と「行為」を切り離して伝えることが大切です。

「○○ちゃん、ダメ!」の一言を、「○○ちゃん、そのやり方はダメ!」と言い換える。

たったそれだけで、受け取る印象はまったく違います。

前者は「自分という存在」を否定されたように感じやすく、

後者は「やり方」を怒られていると理解できます。

この違いは小さなようで、とても大きいものです。もちろん働く場面でも同じです。

 

とはいえ、そう意識していても、いつでも冷静に言い換えられるわけではありません。

特に危険が迫っているときや、急いでいる場面では、

「○○ちゃん、ダメ!」と反射的に出てしまうのが人間です。

そんなときは、あとからフォローする言葉を伝えましょう。

「さっき“ダメ”って言ったけど、○○ちゃんがダメなんじゃなくて、今のやり方がダメってことだからね♪」

この一言があるだけで、相手の心はずいぶん軽くなります。

すぐにはできないからこそ、忘れずにフォローしたいものです。

それでは、職場での上司と部下の会話を想像してみましょう。

上司:「この資料、ダメじゃん!」

部下:「……すみません」

上司は「資料の構成を直してほしい」と思っていても、

部下には「自分の仕事ぶり全体を否定された」と響きがちです。

結果、相手は萎縮し、次の提案をしづらくなってしまうかもしれません。

では、こう言い換えたらどうでしょう。

上司:「この部分の説明、ちょっとわかりづらいね。構成を見直してみようか」

たったそれだけで、伝わり方がやさしくなります。

言われた側も「自分がダメ」とは思わず、「やり方を直せばいい」と前向きに受け止められます。

「伝え方」は、自分次第で変えられる

叱るとき・注意するときは、「人格」と「行為」を分けて伝えること。

これは、子育てにも職場にも共通する大切なポイントです。

意識して言葉を使い直すのは、少し面倒かもしれません。

でも、そのひと手間こそが、相手を思う優しさであり、その手間を惜しまないことこそ、相手を思いやる姿勢だと私は考えています。

このコラムでたびたび登場するフレーズ!

「まずは自分の言葉を見直してみる。」

このコラムで一貫して伝えたいこと!

「相手に期待するまえに、自分ができることを一つずつ。」

その積み重ねが、味方コミュニケーションを育てていくのだと信じています。

私たちは自分や相手のために言葉を選べるのだから。

偉そうに聞こえるかもしれませんが、おけいさんも実践中。 まだまだ道の途中です。

ぜひ一緒に考えていきましょう♪