
こんにちは♪ インストラクターの「おけいさん」こと土橋桂子です。
70歳を越えたおけいさんが皆さんにお届けするコラムです。
その名も『Grandma’s column:Beside you♪』(ばあばのコラム:あなたの味方)。
どうしてタイトルが英語かというと、おけいさんは緑色のフクロウさんと一緒に英語の勉強をしているからです。まぁボケ防止ですけどね(^^♪
月に二回のペースでお届けしますので、お読み頂けると嬉しいです。
「普通」がズレるとコミュニケーションもズレる
言葉ほど曖昧なものはない…この年になってつくづく思います。
特に「普通」「だいたい」「多めに」「ちょっと」「早めで」など、人によって解釈がゆれる言葉は、ミスコミュニケーションの原因の一つだと日頃感じています。
「そんなつもりじゃなかったのに」「伝わっていなかったみたいで……」などと悩む方に良く出会います。これは個々の能力の問題ではありません。“言葉のゆらぎ”がもたらす行き違いです。
だからこそ、曖昧な表現を“数字”に置き換えるだけで、驚くほど話がスムーズになります。今日は夫婦の実例とともに、職場で起きがちな具体例も交えてお伝えします。

夫婦で確認した「普通」の違い
まずは、かつて我が家で見られた定番の会話から。ご飯をお茶碗に盛り付ける場面です。
妻「どれくらい食べる?」
夫「普通で」
妻「普通ってどれくらい?」
夫「普通は普通だよ」
妻「???(心の声:あなたの普通と私の普通は違うじゃん)」で結局、盛り付けたご飯を夫に見せて確認(妻の心には小さなイライラが起きています。)
とまぁ…まるでコントのような会話がたびたび繰り返されていました。
ついに妻が「お願いだからグラムで言って!」と言い出したため、ハカリの登場です。ひと手間かけて、ご飯の量をはかった結果、我が家の“普通”は150gになりました。
以降、夫から「今日は大目で」「少な目で」と言われても、モヤモヤすることがなくなりました。
人はどうしても「自分の普通=相手の普通」と思い込みがち。それがズレると、ちょっとした不満やイライラにつながります。数字にすれば、その思い込みを手放しやすくなります。
ということで、ここからが本題です。
職場でもよくある“あいまい言葉”のズレ
夫婦の話は家庭内の小さな出来事ですが、職場でも似たようなことが頻繁に起きています。ここから、皆さんの身近にありそうな例を2つ紹介します。
●事例①「早めにお願いします」が全員違う
ある職場で、リーダーがチームのメンバー3人に「この資料、早めに仕上げておいてね」と頼みました。ところが持ってきた時間がバラバラ。
Aさんは“午前中には”という解釈で11時に提出。
Bさんは“今日中にできれば”と考えて17時に提出。
Cさんは“明日でも大丈夫かな”と捉えて翌朝持ってきました。
どうしてこうなったのか?謎でも何でもありません。3人がそれぞれの“早め”で動いていただけなのです。
ここでリーダーが「早めに」ではなく「11時までにお願いします」と数字化しておけば、時間のズレは生まれませんでした。
●事例②「少し増やして」が想定の2倍
会社でイベントのチラシを作成するときの出来事です。
チームリーダーが部下に「このパンフレットの文字、少し大きくして」と頼んだところ、戻ってきた文字の仕上がりは2倍サイズ。
リーダーは「少しって言ったのに!」と驚き、部下は「これくらいだと思ったのですが……」と戸惑うばかり。このような事例はあるあるだと思いませんか?
この場合も「フォントのサイズを 2pt上げて」と数字で言えば済む簡単な話だったのです。
数字で伝える、相手への“思いやり”

数字で伝えることを「なんだか細かい」「堅苦しい」と感じる方がいるかもしれません。
しかし実際にはその逆で、数字のほうが相手の負担を減らし、安心させることができます。「どれくらいやればいいの?」「この程度で大丈夫かな?」という相手の迷いを取り除けるからです。
人は迷うと疲れます。指示やお願いを受けたときに最も不安なのは「自分の判断がズレていないか」という点です。そこを数字で示して伝えることは、相手への優しさであり、互いの関係を良くするための小さな工夫だと思っています。
“数字で伝える”をひとつ始めてみませんか
難しいコミュニケーション術は必要ありません。まずは曖昧な言葉を、一つだけ数字に置き換えてみてください。「早めに」ではなく「〇時までに」、「多め」ではなく「いつもの1.5倍」。それだけで驚くほどミスコミュニケーションが減り、人間関係がラクになります。
言葉は思いやり。数字はその思いやりを“見える形”にしてくれます。今日から、肩の力を抜いて数字を味方にしてみてくださいね(^^♪

